フランス大使館で開かれた舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」製作発表MCを務めました

2025年11月、フランス大使館で行われた舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」製作発表にて、MCを務めさせていただきました。

村上春樹さんが1985年に発表した長編小説『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』。

10代の終わりか20代はじめ頃に初めて読みました。
私にとって“没入とはどういう体験か”を教えてくれた特別な一冊です。

平和で、不気味で、官能的で、スリリングで、ロマンチックで……
相反する感情や景色が渦を巻きながら、脳内で立ち上がってくる。
「寝る前には読まないほうがいい」と思うほど、読むと頭の中で景色がぐるぐると動き出す。
静けさの奥にあるスリル、言葉の間に潜む気配。一つひとつの言葉が生む脳内イメージ。
ページをめくるたびに、新しい景色・視点が立ち上がってくるようでした。

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製作発表MCを担当するにあたり、再び物語の中へ

これまでに少なくとも2回は読んでいるはずですが、物語の力は衰え知らず!
何度読んでもワクワクが更新されていく!!
大好きな作品の“舞台化”のに少しでも携われることが、心から嬉しく、光栄な時間でした。

世界的トップダンサー・宮尾俊太郎さんの言葉が教えてくれた“表現の原点”

製作発表の中でも、特に心に残った言葉があります。

“世界の終り”の影の役を務めるダンサーの宮尾俊太郎さんに、
『バレエではなく、演劇作品で海外公演を⾏うこと』について、質問をしたときのこと。

宮尾さんは、こう話されました。

ずっとバレエダンサーとして“言葉を使わない表現”をしてきましたが、
身体的には、筋肉を使って空気を振動させて届けるという点で、実は大きな違いはないと思っています。
(公式HP 出演者コメント)

その言葉を聞いた瞬間、胸の奥がふっと揺れました。

舞台も、ダンスも、芝居も。
そして、声の仕事も。

ぜんぶ 空気をどう振動させて伝えるか” でつながっている。

人が心を動かされるとき——。それは意味や言葉の前に、まず“振動”が相手の中に届くとき。

やっぱり、やっぱり、そうなんだ。

シンプルで普遍的な原点を、あらためて噛み締めました。

二つの世界が“舞台”でどう描かれるのか

フランス大使館の会場は、
作品を愛する人たちのエネルギーが静かに溶け合う、温かい空気に包まれていました。

藤原竜也さんをはじめ、出演者の皆さまは気さくで優しく、佇まいそのものに豊かな“響き”を感じる方ばかり。

「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」。
二つの世界が、舞台という一枚の平面の上でどのように交差し、どんな“振動”が響き合うのか・・・

本番が今から楽しみでなりません。

「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」日本公演と世界ツアー情報

2026年1月に開幕する日本公演を経て、シンガポール、中国、イギリス、フランスの4カ国を巡るワールドツアーが決定しているこの舞台。

世界中で愛される村上春樹作品『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』。
今回が世界で初めての舞台化ということもあり、各国から熱烈なオファーが寄せられ、日本公演と同じ出演者によるワールドツアーが実現することになったそうです。

東京公演は、2026年1月10日(土)〜2月1日(日)、東京芸術劇場プレイハウスにて上演。
その後、宮城・愛知・兵庫・福岡へ。日本ツアーは2026年1月〜3月にかけて行われる予定です。

この記事を書いた人

NHK Eテレ「こども手話ウイークリー」「お昼の手話ニュース」ナレーションを担当。ホリプロ所属。報道現場や番組制作で培った経験を活かし、現在は警察大学校の講師や毎日新聞「記者トレ」の運営・コンテンツ開発など、教育分野でも活動中。

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